(前回までのあらすじ) その日、私は酔っていた。でもそれはいつも事だった。「眠り」とは、これすなわち死の世界に少しずつ馴染んでいく事であった。しかし、いつからかそれが自然に出来なくなり、単に眠るために私は毎晩、酒を飲むようになった。そして、それは毎晩の事だった。飲まなくては眠れないのだ。人はそれをアルコール中毒なんていう。
ええと、みなさんこんばんは。ベース担当の松田です。このコーナーは私のおすすめするものを紹介するコーナーです。久しぶりの更新です。というのも実は最近、私はあんまり音楽を聴いていないのであった。こういう事は何年かに一度、たまにあるのだが、別に音楽が嫌いになってしまったとか、そういうわけでは全然なくて、普通にレコードを買い続けたりはしているのだ。しかしあんまり聞かない。きっといろいろ忙しかったりしていて、単に余裕が無いということかもしれない。そんなわけでこのコーナーの更新も怠っておりました。しかし、面白いアルバムというのはちゃんと出ているもので、今回は先頃リリースされたばかりであるフレイミング・リップスのニューアルバムについて語らせていただきたいと思う。そう、約3年ぶりの新作だ。
(つづき) 時は世紀末。夜の時計は12時。アルマゲドンはもうすぐそこだった。そんな最中、4枚組のCD”ZAIREEKA”を同時に鳴らす実験が各地で行われたが、肝心のUFOはいつになっても私達のもとには降りて来ることはなかった。
実をいうと、この新作について私は、そんなに期待をしていたわけでは無かった。音楽誌のレビューなんかを読んでみると、前作同様デイブ・フリッドマンの独特の音作りがどうのとか、打ち込みが多用されてギターの音が引っ込んだとかなんとか、そんなことばっかし書いてあって、いや、まあ確かにそういうアルバムなんだろうな、とは思っていたのだった。前作「ソフト・ブレティン」は大好きだったし、それはそれで良いのではあるが、でもなんていうか、どちらかというとああいうアルバムはもういい、という感じなのだった。悲しい歌は、もういい。あんまし聴きたくないのだ。
(つづき) こうなると最後の一手、私達はスーパーマンの出現を待つしかなかった。しかしいつまでたってもスーパーマンがやってくる事などはなかった。それでも地球は廻る。あの時点ではまさか、ワールド・トレード・センターがなくなってしまうなんて、想像した人はいなかったはずだ。そう、私達に出来る事といえば、空しく「スパイダーバイト・ソング」を口ずさみながら、背後のスクリーンに写される彗星の動きを追いかけるだけだった。
フレイミング・リップスの新作「ヨシミ・バトル・ザ・ピンク・ロボッツ」は、日本人の女の子「ヨシミ」が悪のロボットと戦う、というストーリーで展開されていく。「ヨシミ」とは、ボアダムズのヨシミちゃんの事だそうだ。いや確かモデルになってるとかそういう話だったかもしれない。いずれにしてもこれは思わぬ展開であった。
あの娘はヨシミ/空手の黒帯/僕らの街のために/いつも鍛えとんねん
鍛えとんねんで(笑)。 いやまったく、これを前作の延長上の作風と捉える人がいるのは勝手だが、私にしてみればこれは非常に強引な大ドンデン返しであると思う。ちょっとびっくりした。前作には無かった可笑しな雰囲気があって、アコースティックで、軽やかにメロウな曲がたくさん聴ける。そして、やけくそに事態が好転していく。なにしろ、絶対負けない(笑)。その事をヨシミは疑問に思っているようだ。馬鹿馬鹿しいくらいファンタスティックというか、いうならば呆れるほどの茶番かもしれない。でもやっぱり可笑しい。素敵だと思う。私も頑張らなくちゃならない。未来とかじゃなくて、今だ。今しかない。いや、マジでそう思いました。
つづく(笑)。
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第1回:The Flaming Lips ”Zaireeka” の巻(2000.4)
第2回:Dolly Mixture ”Demonstration Tapes”
の巻(2000.5)
第3回:Various Artists“Caroline Now!”の巻(2000.8)
第4回:長谷川和彦監督作品「太陽を盗んだ男」
の巻(2000.12)
第5回:2000年度ベスト・アルバムの巻(2001.1)
第6回:Lou ”Search & Love” の巻(2001.3)
第7回:Honzi ”Two” の巻(2001.5)
第8回:「水不足問題について考える」 の巻(2001.7)
第9回:「グラスゴーの彼方に」 の巻(2001.10)
第10回:「2001年の収穫自慢」 の巻(2002.1)
第11回:「Some Candy Talking」の巻(2002.3)
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(蛇足)
The Flaming Lips “Yoshimi Battles The Pink Robots "
ジャケットには「ザ・フレーミング・リップスは、あなたの人生と、このレコードをエンジョイしてくれることを願っています」と日本語で書かれている。変なの。
またCDの盤面には日本語ででかく「君は一番美しい顔をしている。」とも書かれている。変なの。
さらに国内盤にはボーナストラックとして、タイトル曲をカタコト日本語で歌っているヴァージョンも収録されている。変なの。
ボアダムズのヨシミさんとは知り合いでも何でもないのですが、なんとなく「ヨシミちゃん」と「ちゃん」付で呼ばずにはおれないキャラクターのお方だと思いませんか?
ちなみにフレイミング・リップスは今年のサマーソニックに出演するようです。観たいけど、他の出演者がいまひとつパッとしないというか好みではないので、どうしようかと考え中。ちなみにねおじさんは大阪のも観に行くそうです(笑)。
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